思いもよらない鬼ごっこ
          〜789女子高生シリーズ

           *YUN様砂幻様のところで連載されておいでの
            789女子高生設定をお借りしました。
 


      




 そろそろお食事にしましょうと、最上階のラウンジまでいらっしゃいとメールで呼んだのに、二人揃ってなかなか姿を現さず。そうこうするうち、フロントクローク担当のマネージャーから、久蔵とお連れの殿方が何物かに襲われかかっていたらしいとの報告が届くに至って、彼女の母上が青ざめたのは言うまでもなく。プライバシーにはなるべく抵触しない範囲、あくまでも防犯上の配慮から、ロビーやエントランス周辺、宿泊客以外の出入りが多い一階の化粧室など、所謂“公共的なエリア”にのみ設置していた監視カメラの映像を調べたが、数人で追って来た暴漢から逃れるように駆け出して、神田氏と共に宿泊棟用のエレベータに飛び乗って以降の行方が杳として知れないという。

 “…………。”

 両親も心配してのこと、いろいろな方面へと連絡を入れていたようで。当人がお邪魔していないか、何か連絡はなかったか、最近のお気に入りにしているお店や場所を知らないかなど。自分の娘のことでありながらそんなことも知らぬのかと思われてもいいと、なりふり構わず、何でもいいから心当たりを教えてほしいと訊いてから。こちらが身内に間近い存在だからか、

 『そんなにもいやだったのかしらね』と。

 最後にぽつり呟いたのが、妙に耳に残ってしまった榊せんせえであったりし。勿論のこと、お相手がという狭い意味じゃあなく、お見合いなんていう機会を作られるのが、という意味だったのだろうというのは彼にも通じていて。そういえば、

 『久蔵はね、断ることが前提の“お見合い”なんて不毛だからと、
  それで“もうやだなぁ”と思ってるんですよ?』

 先週の半ばごろだったか、いつも久蔵と仲良くツルんでいる例の二人が“お見合いって一体どういうことなんですか”と、抗議を兼ねてという態度で女学園内の保健室までやって来たのを思い出す。前世の記憶を持つ不思議な存在。あまりに強烈な人生だったからそうまでの余力も持っているのか、はたまた何かしらの奇縁が招くのか。そんな生まれだってだけでも奇異なのに、似たような“転生人”らが多数、今のこの時代でも顔を合わせており。殊に、そんな中の3人ほど、少しばかり遅れて世に出た彼らだけは、何故だか性別が違っていて。憎からず想っていた相方や連れ合いの傍らに、記憶には封をされたまま現れたのは一体どういう因縁だったやら。

 “憎からず…か。”

 確かに因縁はあったが、自分とあの寡黙な剣豪との間柄は…あとの二組の抱いていたそれと果たして同じものだろか。そんな物思いにふと突き当たり、その手が止まってしまった兵庫だったが。今はそれどころじゃあなかろうと思い直すと、メガネの中央部、鼻梁をまたぐ部分のツルをついと指で押し上げながら、再び作業へと立ち戻る。親御殿からも懇願されたので、心当たりというのを、携帯電話に登録している身内以上へと広げるべく。自身も校医として勤めている女学園の名簿を書架から引っ張り出しかけ、その隣に並んでいたものへ おやと眸が留まった。名簿同様に最近あまり開かずにいたクリアファイルで、何とはなし開いてみれば、幼い手蹟で綴られたメッセージもおおらかな、お手製のグリーティングカードの類がどのページにも収納されており。クレヨン画などにはパラフイン紙をあてがうなど、保存の仕方も随分と丁寧。

 “まだ取ってあったのだな。”

 幼い手蹟による作文やクレヨン画。ちょっぴり歪んだ押し花に、随分と黄ばんだ、だが花丸がつけられたお習字やら、アンダーラインつきの100という赤い数字が右肩に躍る答案用紙。よくよく見れば、どれも同じ癖が見受けられる字で名前なり文章なりが綴られていて、一人の人物の手になるものばかりと判る。その“名前”の欄だが、時として名字だけしかないものも多数あり、

 『……だって。』
 『意地悪でもされたのか?』

 ううんとかぶりを振ったのに合わせ、金色の綿毛がゆさゆさと揺れて。違うと言いつつ、ならどうして、お膝を抱え、顔を上げずに座り込んでいたのやら。それでなくとも、金色の髪は幼い子供らの中では大層目立つ。真っ赤な眸にお人形のように整った顔立ち、すんなりとしたスタイルと来て、誰が見たって問題なく愛くるしい風貌をしていながら、女の子にはあるまじき名前であるの。なんて読むのか何で変わった名前なのか、子供の真っ直ぐな疑念から訊かれ続ける毎日は、幼く、しかもあまり人と接するのが得意ではない少女には、ただただ苦痛や重荷でしかなくて。しまいには名字しか書かなくなってしまった時期があったの、果たして両親は知っているのだろうか。

 『そうか、それは困ったなぁ。』

 自分だって、小児心理や何やは専門外だったけれど。あまりにも馴染みのあるお顔が、しかもまだまだ幼いのに こうまでしょぼくれているのは見ていられず。俺もまだまだ若輩者だから、これという正解はなかなか出してはやれないが…と前おいてから、

 『それでも…そうだな。
  抱えているのがキツいなってことがあったなら、
  愚痴を言いに来ていいぞ?』

 聞いたからって必ず解決策を見つけてはやれんが、大変なんだからとか頑張ってるんだからとか、そういうの、俺だけは知ってることになるだろう?と。ちょっとでも気休めになるのならばと、そんな風に言ったことがあって。そうしたら、あの真っ赤な眸を…当時はまだまだ丸みのあったそのまま、零れてしまうんじゃないかってほど大きく見開いてから、何度もうんうんと頷いて。それからは、毎週のように週末の昼下がりにやって来ては、母からの差し入れだというケーキやデザートを言い訳に、小一時間ほど一緒に過ごすのが習慣となった。医院のほうも休憩時間ではあったし、ソファーに腰掛けると足が床に届かぬほど小さかったお嬢様は、含羞み屋ながらもちょっとずつ、お顔をのぞき込めば微笑ってくれるようになったから。自分が知ってる剣豪は、何を考えているのか判らぬ奴だったが、それは表への出し方を知らなかったからかも知れぬ。現今のこの世界での有名な偉人、全盲の身を克服し、聾唖者と社会との懸け橋になろうと世界中を駆け回った女性が、そうと目覚めたその最初、誰もいない真っ暗闇の世界から出るには、その切っ掛けが要ったように。戦さには縁のない国であることから、身の置きどころに困って立ち尽くしている彼女なのなら、刀は使わぬ対話を教えれば……少しはマシな人性になるやも知れぬ。一人一人と長く関わり、豊かな人生を送れるやも知れぬと。ついつい思ってしまった、手を延べてしまったのが始まりで。

 “………ったく。”

 今や、親友はもとより、そりゃあ大勢の人たちから慕われたり可愛がられたりしているお嬢様であり。それへ多少は貢献出来ているのかなと、またぞろ手が止まったままでいたところへと、

 「……若、兵庫様。」

 祖父の代からずっと事務全般の統括を引き受け、家業を支えてくれている、単なる“秘書”以上、昔風に言うなら執事の各務氏が、日頃の落ち着きようはどこへやら、小走りになってという大急ぎで廊下をやって来る気配がし。何事だろか、まさか……という覚えが思考となってまとまる暇間もないまま、飛び込んで来た彼を見やった格好の若先生へ、

  「兵庫様、三木様のお嬢様が。」
  「………っ。」

 ハッとし、胸元をぐいと掴まれたような心持ちが襲う。ついつい過去の思い出に浸ってしまっていたけれど、そうだそれどころではなかったのだと現実へ引き戻されて。自分が傍らにいなかったその隙という何とも歯痒い澹
(あわ)いにて、狼藉者に攫われでもしたものか、行方をくらました少女のその身に…何かあっての知らせが飛び込んで来たのだろうかと、善からぬ覚悟がふと沸いたものの、

 「久蔵様が、お見えでございます。」
 「……………………え?」

 聞かされた文言が頭の中で意味を成すまでに、微妙な間合いが要ったほど。どういう事態かを把握するのが難儀だったのは、決して彼が寝ぼけていたからじゃあなく。何物かに手を出されかけての行方不明、もしやして本人の意思ではない失踪、言葉にするのも忌まわしい“拉致”や“誘拐”だったらどうしようという、最悪の不安と背中会わせになりながらその身を案じられていたお嬢様だっただけに。こうもひょっこり現れるなんて…と、あまりに想定外な出来事すぎて思考が追いつけなかったためであり。

 「久蔵が?」
 「はい。久蔵お嬢様でございます。」

 各務氏もまた“何か連絡はなかったか”という格好で、兵庫から あの玲瓏寡黙な麗しい少女が行方知れずだと聞いており。それはまた心配なことですねと案じていたところ。それゆえの動転気味な態度だったのでもあって、今は何とか落ち着きを取り戻し、駆け込んだ書斎の扉をあらためて大きく開け放ち、自分がやって来た背後を見通しよく空けて見せる。……と、

 「………っ。」

 片側の壁に等間隔で並ぶ窓からの陽を受けて、けぶるような金の綿毛が目映いばかり。ほっそりとしたその肢体には、白を基調とした更紗のような風合いの、少々大人びたデザインのシルクのアンサンブルをまとっており。その細い肩がやや落ちているのは、多少は疲れてでもいるからか。だが、こちらからの視線に気づいて上げられたお顔は、その頬にほのかに血の気がのぼっていての、むしろ楽しかったという傾向での興奮状態のようだとも感じられ。

 「久蔵、お前 今までどこに……。」

 何はともあれ 無事だったのは喜ばしいことだし、人伝てに訊いての確認じゃあない、その姿を自分の目で見て確かめられたのは、この上ない安堵を招いたものの。そうならそうでと、訊きたいことが幾つもあったし、いきなり堅いことを言うようだが、それこそ保護者サイドの大人の義務としちゃあ、様々な人へご心配をかけただろうことへと 一緒にお詫びするからこその、心配させおってからにと叱る必要もあり。安堵してすぐの切り替えとは何とも鮮やかなとか、お気持ちは判るが、もう少し落ち着くのを待って差し上げてはとか、執事の各務氏でさえハッとし、執り成そうとしかかったほどの場の空気の流れというものへ、

 「それに関しては、私がご説明致しますよ。」

 真っ直ぐ伸びるお廊下の、一体どこに居たものか。久蔵しか立ってはいなかったように見えたはずの戸口には、いつの間にかそんな彼女の肩に手を置き、後背に立っていた存在があって。

 “背後を取られても動じぬということは。”

 今の“生”では刀からは勿論のこと、武道からも離れている久蔵だが、それでも昔から不思議と人の気配には鋭い子だったし、記憶が戻ってからは頓
(とみ)に、かつての“彼”を彷彿とさせるレベルであちこちが研ぎ澄まされてもいて。そんな久蔵が、特に驚きも振り払いもしないということは、それなりの信頼を預けている対象だということにならないか。そして、そうと思ったと同時、

 「…………あ。」

 何物かとの詮索がつついたのは、他でもない自分の中にあった記憶。そうだ そうそう、この御仁には見覚えが。

 「確か2年前の……。」
 「ええ、思い出していただけましたか。」

 まだ中学生だった紅バラ様こと 久蔵お嬢様が、今日のそれのように引き合わされた“未来の許婚者候補”であった男性で。当時はたまたま兵庫も居合わせたところへお越しになった関係から結構名のあるブライダルチェーンの総帥の御曹司で、ご本人もデザイナーをこなしておいでだという紹介をされた。日頃、あんまり表立ったところにお顔は出さないが、様々なパフォーマンスやショーのプロデュースにも参加しており、注意しておればあちこちでその名前を捜し当てられもする、ある意味 著名な御仁だが。

  だが、確か…この少女は彼へも結果として断りを入れてはなかったか?

 「あの後も連絡を取り合ってたので?」
 「いいえ。ご連絡をいただいたのは2年ぶりのことですよ。」

 軽やかな流れをつけた柔らかそうな明るい髪に、すっきりと整った御面相。しゃんと張った背条といい、長い手足といい、ご本人がそのまま各種企画へのモデルを担当してもいいほどの若々しくも華麗な存在でもあり。見栄えのみならず話し口調にも、どこか年齢不祥な感こそあるものの、決して蓮っ葉さや軽佻な印象を与えないのは、その笑顔や口調に、幾許かの鷹揚さはあるが押し付けがましさや挑発的な気配がまるきり感じられないためだろう。ブライダル関係という人の縁を扱う畑においでだからと身につけている肌合いか、それとも…此処は仕事場ではないだろに、そんな場でも完璧なまでに自己を隠し切っておいでだからか。そして、

 「2年ぶりって…。」
 「そのことも含めて、
  今日起きていた物騒な出来事の次第を、私からも説明させて下さいな。」

 話を聞いてから判ったところの、この彼が手立てを講じた やや(?)掻っ飛んだ部分の説明は、さすがに 発案者である自分がした方がよろしかろうという判断も勿論あろうが。それ以上に…無口であるがゆえ、ただでさえ口べたな久蔵には上手く説明し切れなかろうと見越してのこと、彼女もまた大変な目に遭った側なのですから どうか穏便にという口添えも兼ねているかのようであり。そういった事情や背景はすぐにも飲み込めたものの、そんな彼の立ち位置が、こたびは妙に胸底にほろ苦くもあった兵庫せんせえだったりもしたそうな。




      ◇◇◇



 具体的な脱出方法の ちょぉっと非常識だった手管や何やは微妙に誤魔化しつつも
(おいおい)、全ての一通りを説明し終えた彼は、神田氏が被害届けを出していること、事情を確認しに警察からの連絡があるやも知れないが、未成年なので法廷まで引っ張り出されるということはまずないでしょうと付け足して、

 「それではこれで。」

 辞去のご挨拶を告げ、会釈を見せたその気配へと。見るからにハッとしてお顔を上げた、金髪紅眸の少女へは、

 「楽しかったなんて言うと、不謹慎かも知れませんが。
  覚えていて下さったのは嬉しいことでしたよ、お姫様。」

 さすがに大人で、そんな言い回しをしたのはなかなかに配慮もあって。ぱたぱたぱたと、お話の間は座っていたソファーから立ち上がっての、間近へまでと進み出て来た少女が、別れを惜しむように見上げる様子へ。その眼差しでもて いたわるかのように、そりゃあ甘やかに目許をたわめての笑みを向け、

 「こういうことは、そうそうあっては堪りませんが。
  それでも…助けがほしいときは また呼んでくださいね?
  実力はそう、今日示して見せた通り、結構大したものだったでしょう?」

 「………。(頷、頷)」

 誰かに頼るとか、庇われる守られるということへ、このところ、そう“記憶”が紐解かれての目覚めてからは、人一倍 過敏になっていたはずの久蔵が。助力していただいたこと、次もあったら頼むかも知れぬことを、こうまで素直に受け入れ、意思表示したのがまた、

 「……。」

 榊せんせえには、微妙に複雑な心境を招いたようだったが。それではと、手を挙げての会釈をし、兵庫の側へは軽くながらもあらためて頭を下げての挨拶を残し。そのまま去って行こうとなさるので、ああいかんいかんと我に返ると、自分もまた進み出て、玄関までをお見送り。久蔵も当然ついて来て、あらためての会釈へこちらからもひょこりと綿毛頭を下げたところなぞ、兵庫にしてみればお初の光景。目礼以上の会釈なぞ、学校関係の大人以外には見せぬため、そこが最近困ったところとなりつつあったお嬢様でもあったのに。よほどに信頼を得た彼だったか、

 “それにしては……。”

 携帯でわざわざ呼びつけたと、それも2年ぶりとはいえ助っ人として頼るためにと呼んだ相手を、随分と珍妙な呼び方で通していたらしい久蔵だったそうでもあって。それへのお返しということでもなかろうが、久蔵をお姫様なぞと呼んでいたのへ、

 『〜〜〜〜〜。///////』
 『お姫様と呼んではまずいのかな?
  でもだったら、私の名前も思い出してほしいものだけれど。』
 『え?』
 『読み方が判らなかったのかな?
  結婚屋だなんて、楽しい呼び方してくれてたのは。』

 そうと言って自分の携帯を取り出し、黒っぽい鈍メタルのモバイルの液晶部へと呼び出して見せたのがご自分の名前。兵庫でさえ覚えていたし、無名とは言えぬ彼の名は、


  『丹羽 良親。こう書いて“よしちか”と読むんだよ?』


 それは朗らかな笑みを残し、各務氏が開いて下さったドアを出かかれば、アプローチの先、門扉から駆け込んで来た数人の人影とすれ違う。榊医院は今日は休診日だそうだし、何よりこちらは自宅の側。急患が駆け込んで来た訳では無さそうではあったものの、

 「…。」

 ふと…その一団の中の一点へだろうか、視線だけが何かしらを捕らえてのこと、ゆらと微かに動いた彼であり。とはいえ、何食わぬ顔でそのまま進み、擦れ違っての通り過ぎると、何事もなかったかのように、自分が久蔵を送りがてらに乗って来たらしきセダンへと向かったところで、

 「………っ。何用でしょうか?」

 運転席のドアへと延べた手を横合いから掴まれ、動作が止まる。驚きの気配はなく、むしろ引き留めた側にこそ、隠し切れない動揺の色が見受けられ。さほど凝ったデザインでもない、合服仕立てだろうスーツ姿の、自分と同年代くらいの男性であるのへ、

 「駐車違反でしょうか? お巡りさん。」
 「そこまで知ってて、お前…っ。」
 「そうそう声を荒げなさんな。」

 にこりと微笑ったそのお顔からは、ここまでの彼が見せていた嫋やかさが少しほど薄れており。とはいえ、棘々しい種類の挑発の気配とも微妙に違う、一種 独特の気色が滲む。何と言えばいいものか、親しい間柄だからこそ通じる、ちょいと乱暴な揚げ足取りを楽しむ悪戯っ気が出てのこと、ぐんと若々しさが増しての思わぬ子供っぽさが顔を出したというか。そして、そんなお顔をして見せたことで、

 「…相変わらずだよな、まったく。」

 いきり立っても詮無いと、諦めに似たような想いがしたのだろ。はぁあとため息をこぼした警視庁捜査一課の敏腕刑事、佐伯征樹殿へ、

 「見知ったお顔が転生していたからって、
  いちいちご挨拶に行ってたらキリがなかろうよ。」

 三木さんチのお嬢様と共に脱出活劇に興じていた先程以上に、何とも愉快というお顔をした、こちらの彼こそは。かつての戦乱の時代に、敵軍から最も恐れられていた斬艦刀部隊の司令官だった島田勘兵衛隊長を、戦さへの実力と勘兵衛への理解や把握とで支えた“双璧”として征樹殿と共に名を馳せた、いわゆる戦友でもあった存在なのであり。しかも今の一連のやり取りからして、きっちりとその記憶もお持ちのご様子で。さても転生人というものは、嵐を呼ぶのがお好きな人性ぞろいなんだろかと、自分もまた同じ身の上でありながら、かつての時代以上に頭を抱えたくなったらしい征樹殿だったそうである。






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  *まあ何と言いますか。
   彼が誰だかまだ判らない方は
   いっそそのままでおいでのほうがいいのかも知れません。

   答え 把握しちゃうと却ってややこしくなるから。
(笑)

  *もうちょこっとほど、お付き合いくださいませねvv


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